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033 サロンオーナーに必要なのは、経営者の視点を持ち続けること。

前回は、忙しいサロンほど、立ち止まる時間が必要かもしれないというお話をしました。

では、立ち止まった時間で、経営者は何を見るべきなのでしょうか。


今回は、そこで必要になる「経営者の視点」について、少し具体的に考えてみたいと思います。



まず、「ありたい姿」を定めることから始まります


「経営者の視点を持ちましょう」と言われると、難しい数字の話をイメージするかもしれません。


しかし、私は、経営者の視点は、数字を見ることから始まるのではなく、


「夢」や「ありたい姿」を定めること、 から始まると思っています。

例えば、

新しい技術を極めたスペシャリストになりたい。

店販の提案を通して、お客様の日常まで支えられるサロンにしたい。

スタッフが成長し、それぞれの未来を応援できる場所でありたい。

休みをきちんと取りながら、10年後も現役でお客様と向き合いたい。

その形は、サロンの数だけあっていいはずです。


大切なのは、その姿をぼんやりとした願望のままにせず、具体的な目標として言葉にすることです。


「自分は、どんなサロンを作りたいのか。」


そこが明確になることで、初めて、これから選ぶべき道が見えてきます。

そして、ありたい姿が見えてきたら、そこから先は、3つの視点を積み重ねていくことになります。



ありたい姿を、具体的な行動に変えていく


例えば、

「お客様の日常まで支えられるサロンにしたい」


という理想があったとします。

そのために、


「1年後、店販を通じた提案力を高め、店販比率を今の2倍にしたい」


という具体的な目標を決める。 そして、


「そのために、今日何をするのか」 を逆算していく。


これが、経営者の視点の大切な部分です。


ここから必要になるのが、


「投資の視点」

「選択と集中の視点」

「改善と準備の視点」


という3つの考え方です。



1つ目:投資の視点

今の利益を、未来のために使う


利益は、ただ残しておくためだけのものではありません。

もちろん、将来のために利益を残すことも大切です。


しかし同時に、その利益をどう使えば、描いた未来に近づけるのかを考えることも、経営者の大切な役割です。


例えば、店販を強化したいのであれば、商品知識を深めるための講習にスタッフを送り出すことかもしれません。


技術で選ばれるサロンを目指すのであれば、新しい機材や、より深い学びへの投資かもしれません。


「今、この利益を何に使えば、理想のサロンに近づけるだろうか。」


その問いを持つことが、投資の視点です。



2つ目:選択と集中の視点

何を、やらないと決めるか


もう一つ大切なのが、

「何をやるか」 だけではなく、


「何をやらないか」 を決めることです。


サロン経営で使える時間、人、お金には限りがあります。

どれだけ良いアイデアがあっても、すべてのことに同じ力を注ぐことはできません。


だからこそ、経営者には「どこに力を集中させるのか」を決める視点が必要になります。


例えば、

「髪質改善を強みにしたサロンにしていきたい」

という方向性を決めたとします。


そのためには、薬剤や技術の学び、お客様への提案、メニューづくりなどに力をかける必要があります。


しかし同時に、

「今あるすべてのメニューを、これまで通り同じ熱量で続ける必要があるのか」

を考えることも必要になります。


新しいメニューを増やす一方で、ほとんど注文されないメニューを残し続けていないか。

こだわりたい技術がある一方で、時間ばかりかかって利益につながりにくい施術を続けていないか。


集客を強化したい一方で、成果を検証しないまま、いくつもの媒体に時間を使っていないか。


一つひとつは悪いことではありません。

しかし、限られた資源の中では、すべてに同じ力をかけることはできません。


大切なのは、何かを否定することではありません。

自分が目指すサロンの未来に合わせて、「何に力をかけ、何の力を少し抜くのか」を決めることです。


「やらないことを決める」


これは、経営者にしかできない大切な仕事です。



3つ目:改善と準備の視点

うまくいかない時のために、次の一手を考える


そして、もう一つ大切なのが、未来には予想外のことも起こるという視点です。

立てた計画が、必ずしも思い通りに進むとは限りません。


新しく始めた提案が、思ったほどお客様に届かなかった。

投資した講習が、期待した結果につながらなかった。


そんなこともあります。

だからこそ、あらかじめ、


「もし、うまくいかなかったら次はどうするか」


を考えておくことも、経営者の視点の一つです。


一つの道がうまくいかなかったとしても、次の一手を持っている。


それだけで、失敗した時の落ち込み方も、立て直す速さも変わってきます。



技術者としての想いを、未来へつなげるために


サロンオーナーになるということは、技術者でなくなることではありません。


むしろ、技術者として大切にしてきた想いを守り、育てていくために、経営者としての視点が必要になります。


ありたい姿を描くこと。

そこへ向かう道を、今日の行動に落とし込むこと。

必要な投資を考えること。

やらないことを決めること。

そして、うまくいかなかった時の次の一手を準備しておくこと。


その積み重ねが、10年後もお客様に選ばれ続ける、あなたらしいサロンでいるための力になります。


そして、そのために必要なのが、経営者の視点を持ち続けることなのだと思います。


次回は、「変わり続けるために、明日からできる小さな一歩」について。


大きな改革ではなく、日々の中で始められる小さな変化について考えていきます。

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