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026 「おもてなし」は、特別なサービスではない 〜相手を想像する力が、サロンの価値になる〜

前回は、「作業をする人」と「仕事をする人」の違いについてお話ししました。


同じ掃除でも、同じシャンプーでも、


「なぜ、それをするのか」


という意味を理解することで、作業は仕事へと変わっていく。そんなお話でした。


そして、その仕事の先にあるものが、「おもてなし」です。


「おもてなし」と聞くと、少し特別なもののように感じるかもしれません。

今回は、サロンの価値を大きく左右する「おもてなし」について、少し考えてみたいと思います。


おもてなしは、もっと身近でシンプルなもの


高級ホテルのような接客。

高価なお茶をお出しすること。

丁寧な言葉遣いや、美しい所作。


もちろん、それらも素晴らしいおもてなしです。


けれど、本来のおもてなしとは、もっと身近で、とてもシンプルなものだと私は思っています。


それは、「相手を想像すること」です。


お客様は、それぞれ違う想いを持って来店されています


お客様は、髪を切るためだけにサロンへ来ているのでしょうか。


もちろん、それも一つの目的です。ですが、その背景には、


少し気分を変えたい。

リラックスしたい。

誰かに話を聞いてほしい。

綺麗になって、自信を持ちたい。

忙しい日常から少し離れたい。


そんな想いが隠れていることも、少なくありません。

お客様は、一人ひとり違う人生を歩んでいます。


仕事で疲れている方。

子育てで忙しい方。

大切なイベントを控えている方。

久しぶりに、自分のための時間を作れた方。


だからこそ、おもてなしとは、「全員に同じサービスをすること」ではないのです。


「このお客様は、今日どんな気持ちで来てくださったのだろう。」


そんなふうに想像することが、おもてなしの始まりなのだと思います。


おもてなしは、特別なことではありません


例えば、


雑誌を読むことがお好きそうなら、静かに過ごしていただく。

少し緊張されているようなら、笑顔でお声がけをする。

雨の日なら、「お足元、大丈夫でしたか?」と一言添える。

お帰りの際に、「素敵な一日をお過ごしください」とお伝えする。


どれも、特別な技術は必要ありません。

大切なのは、「何をするか」ではなく、「相手を想像できているか」です。


同じ「いらっしゃいませ。」でも、


「お客様が来たから言う。」


のか、


「今日も来てくださって、本当にありがとうございます。」


という気持ちで言うのか。

その違いは、不思議なくらいお客様に伝わるものです。


おもてなしは、マニュアルだけではつくれない


サロン経営をしていると、「接客レベルを統一したい」「おもてなしを教育したい」と思うこともあるかもしれません。


もちろん、マナーや接客の基本を教えることは、とても大切です。

ですが、マニュアルが教えられるのは、あくまで「型」まで。

その先にある「相手を想像する力」までは、教えきれません。


「自分がお客様だったら、どう感じるだろう。」

「この一言があったら、嬉しいだろうか。」

「今、このお客様は何を求めているだろう。」


そんな小さな想像の積み重ねが、お客様の満足につながっていきます。


お客様は、おもてなしを感じています


忘れがちなことですが、お客様は、私たちが思っている以上に多くのことを感じ取っています。


スタッフ同士の会話。

お客様への気遣い。

店内の空気感。

所作や表情。

言葉の選び方。


そして、「また来たい」と感じる理由は、必ずしも技術だけではありません。


「あのスタッフさんが、私のことを覚えてくれていた。」

「何気ない一言が、とても嬉しかった。」

「居心地が良くて、また来たくなった。」


そんな、小さなおもてなしの積み重ねが、お客様の心に残っていくのです。


相手を想像する力が、サロンの価値になる


おもてなしは、特別なサービスではありません。


相手のことを、少しだけ想像してみること。

相手にとって、心地よい時間を考えてみること。


その積み重ねが、サロンの価値になります。


雨の日の「お足元、大丈夫でしたか?」という一言も。

お帰り際の「素敵な一日を」という一言も。


その一つひとつが、「また来たい」と思っていただける理由になります。


おもてなしとは、「何をしてあげるか」ではなく、「相手をどれだけ想えるか」。


その気持ちこそが、長く愛されるサロンをつくる、大切な土台です。


次回は、「気付く力は、技術と同じくらい価値がある」というテーマで、サロンワークの中にある“気付く力”について考えてみたいと思います。

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