046 SNSやホームページの言葉は、誰のためのものか
- lonfieekyoto
- 7月22日
- 読了時間: 7分
前回は、スタッフへ向ける言葉について考えてきました。
人を動かすための言葉と、人を育てるための言葉。
その違いは、言葉の表面ではなく、その奥にある目的によって生まれるというお話でした。
言葉は、相手を変えるためだけにあるものではありません。
相手との関係を育てるためにあるもの。
私たちは、そう考えています。
今回は、その視点を少し外側へ広げてみたいと思います。
まだ出会っていない誰かへ届ける言葉。
SNSやホームページを通して発信する、サロンからのメッセージについてです。
私たちは、何のために発信するのでしょうか
サロンがネット上で発信する理由は、さまざまです。
新しいお客様との出会いをつくるため。
サロンの存在を知ってもらうため。
新しい技術やメニューを届けるため。
どれも、サロンを成長させていく上で大切な役割があります。
ただ、そのさらに奥にある目的を考えてみたいと思います。
私たちは、本当は何を届けたいのでしょうか。
メニューの情報でしょうか。
技術の特徴でしょうか。
もちろん、それらも必要な情報です。
しかし、お客様が最終的に感じ取るものは、その先にあります。
「このサロンは、何を大切にしているのか」
「この人たちに、自分を任せたいと思えるのか」
そこにある安心感や信頼です。
だからこそ、発信とは、自分たちを知ってもらうためだけではなく、
自分たちが大切にしている価値を届けること
なのだと思います。
そして、この考え方は私たちLonfiee自身にも向けています。
なぜ、私たちは「サロン成長研究所」という発信を続けているのか。
商品の紹介だけなら、もっと短い言葉で届けることができます。
キャンペーンやサービス情報だけなら、必要な内容を整理して伝えることもできます。
それでも、私たちが時間をかけて文章を書き続ける理由があります。
それは、サロンを運営する方々へ、単なる情報ではなく、考えるきっかけを届けたいからです。
技術。
接客。
経営。
スタッフとの関係。
お客様との向き合い方。
日々のサロン運営の中で生まれる、小さな疑問や迷い。
その一つひとつに向き合いながら、未来につながるヒントを一緒に考える場所でありたい。
それが、私たちLonfieeの想いです。
Lonfieeという名前には、
Long Field
長く続く関係や、未来へ広がっていく場所をつくりたいという想いを込めています。
サロンも、人との関係も、一日で完成するものではありません。
日々の積み重ねによって、少しずつ育っていくものです。
だからこそ、私たちは短期的な成果だけではなく、長く成長し続けるために必要な考え方を届けていきたい。
その想いが、「サロン成長研究所」という発信につながっています。
発信することが、目的になっていませんか
多くのサロンが、日々さまざまな情報を発信しています。
新しいメニューのお知らせ。
施術事例の紹介。
サロンの日常。
スタッフの紹介。
どれも、お客様へサロンの魅力を届ける大切な発信です。
ただ、一度だけ考えてみたいことがあります。
その言葉を書く時、届けたい誰かの顔は浮かんでいるでしょうか。
「何か発信しなければ」
そんな気持ちから始まった発信は、いつの間にか投稿すること自体が目的になることがあります。
一方で、
「あの方に届いたら嬉しい」
「今、この悩みを抱えている人に知ってほしい」
そんな想いから生まれる言葉には、自然と相手への視線が含まれます。
言葉には、書いた人の考え方や温度が乗るからです。
サロンが伝えたい価値と、お客様が受け取る価値は少し違います
サロンには、日々たくさんの価値が生まれています。
新しい技術への取り組み。
薬剤へのこだわり。
学び続ける姿勢。
スタッフの成長。
その一つひとつには、サロン側の努力や想いがあります。
例えば、
「新しい薬剤を導入しました」
という発信。
美容師さんにとっては、とても大きな意味を持つ情報です。
より良い仕上がりを届けるための学び。
髪の状態に合わせた選択肢を増やすための準備。
お客様の悩みに応えるための取り組み。
そこには、技術者としてのこだわりがあります。
しかし、お客様が最初に知りたいことは、その情報そのものだけではありません。
「それによって、自分の髪はどう変わるのか」
「今の悩みに、どんな変化が生まれるのか」
「毎日の生活が、どう過ごしやすくなるのか」
自分自身とのつながりです。
だからこそ、発信に必要なのは、情報を並べることではなく、その価値を相手の視点から届けること。
そして、そのためには、まず「誰に届けるのか」を深く理解する必要があります。
届ける相手を、具体的に想像する
マーケティングの世界では、「ペルソナ」という考え方があります。
届けたい相手を、実際に存在する一人の人物のように想像する方法です。
例えば、
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名前は、玲子さん。35歳。
京都市中京区在住。
古都の落ち着いた雰囲気と、現代的な賑わいが共存するこの街が好き。
美容クリニックを経営しており、日々、多くのお客様と向き合っています。
家族は夫と、小学校1年生の男の子。
仕事も家庭も大切にしているからこそ、自分自身に使える時間は限られています。
それでも、美に携わる仕事をしているからこそ、自分自身の美しさにも意識を向けています。
お客様へ美を提供する立場だからこそ、
「いつも素敵な髪ですね」「髪が綺麗ですね」
そんな言葉を自然にもらえる自分でいたい。
髪は、ただ整えるものではなく、自分自身の価値観や仕事への姿勢を表すものでもあります。
そんな玲子さんは、髪について長年の悩みを抱えています。
朝の準備に時間がかかる。
以前より髪がまとまりにくくなった。
年齢とともに変化する髪質に、今までと同じケアでは対応できないと感じている。
その悩みを解決するため、これまで何件もの美容室を訪れました。
しかし、まだ自分の悩みに本当に向き合い、納得できる提案をしてくれるサロンには出会えていません。
玲子さんが探しているのは、単に技術力の高い美容室ではありません。
自分の髪の状態を理解し、今必要なことを一緒に考えてくれる人。
生活スタイルまで考えた提案をしてくれる場所。
忙しい毎日の中でも、無理なく美しさを保つ方法を一緒に探してくれるサロンです。
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ここまで相手を具体的に想像すると、発信する内容も変わります。
「最新の薬剤を導入しました」
ではなく、
「忙しい毎日の中でも、朝のスタイリング時間を少しでも短くしたい方へ」
という言葉になる。
「丁寧なカウンセリングをしています」
ではなく、
「今まで美容師さんに悩みをうまく伝えられなかった方へ。一緒に、これからの髪との向き合い方を考えます」
という言葉になる。
届ける相手が具体的になるほど、言葉も具体的になります。
だからこそ、ネット上で発信する時に最初に考えることは、
「何を書くか」
ではありません。
「誰に届けたいのか」
そして、
「その人は、どんな毎日を過ごし、何を大切にしているのか」
そこまで想像することから、本当に届く言葉が生まれるのだと思います。
言葉は、出会う前から関係を始めています
第三章で、
「出会いは、まだ何も始まっていない」
というお話をしました。
お客様との関係は、初めて来店された日から始まるわけではありません。
SNSを見る。
ホームページを読む。
口コミ返信を見る。
その一つひとつの接点から、少しずつ信頼は積み重なっていきます。
だからこそ、ネット上の言葉も、サロンで交わされる会話と同じように大切にしたい。
発信とは、画面の向こうにいる誰かとの最初の会話です。
まだ会ったことのない人へ、
「私たちは、こんな想いで仕事をしています」
と伝えるためのもの。
そして、その想いに共感してくれる方との、新しい関係を始めるためのものなのだと思います。
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