top of page

042 第四章|言葉にできて、初めて価値になる。

更新日:7月27日

第一章では、「人」について。

第二章では、「未来に続くサロンづくり」について。

第三章では、「お客様との関係」について、一緒に考えてきました。


振り返ってみると、この3つの章には、ある共通点があります。


それは、どれだけ大切なものを持っていても、それが相手に届かなければ、価値として伝わらないということです。


なぜ掃除をするのか。

なぜ、この技術を大切にしているのか。

なぜ、この価格で提供しているのか。

なぜ、お客様一人ひとりに向き合いたいのか。


その理由を言葉にできた時、初めて、その想いは誰かと共有できるものになります。


そして今日から、第四章が始まります。


テーマは、「言葉にする力」です。



言葉とは、頭の中のイメージを相手に渡すもの


そもそも、言葉とは何なのでしょうか。


私は、言葉とは「自分の頭の中にあるイメージを、相手に伝えるための手段」だと思っています。


例えば、美容師さんの中には、お客様の髪を見た瞬間に、たくさんのことを感じ取っている方がいます。


髪の状態。

過去の施術履歴。

クセの出方。

普段のお手入れ方法。

その方の生活スタイル。


長年の経験によって培われた感覚が、一瞬のうちに働いています。

しかし、その頭の中にある判断は、そのままではお客様には見えません。


どれだけ素晴らしい技術や経験を持っていても、それを相手が受け取れる形に変換できなければ、その価値は伝わらないのです。


だからこそ、言葉にする力が必要になります。



あなたは、講習やプレゼンで眠たくなったことはありませんか?


少し考えてみてください。


あなたは、講習やセミナー、誰かのプレゼンを聞いていて、眠たくなった経験はありませんか。


その時、なぜ眠たくなったのでしょう。


話している内容が、すべて間違っていたからでしょうか。

おそらく、そうではないと思います。


むしろ、話している方は、その分野について深い知識や経験を持っていることが多いはずです。


それでも眠くなることがある。

なぜでしょうか。


一つの理由は、聞き手が「自分に関係がある」と感じられる形に、まだ変換されていないからです。


話し手は、自分が伝えたい情報を話している。


しかし、聞き手が知りたいのは、その情報が「自分にとってどんな意味があるのか」ということです。


この違いが、伝わる言葉と、伝わらない言葉の差になります。



本質を理解している人ほど、誰にでも説明できます


本当にその道を理解している人には、一つの共通点があります。


それは、専門知識のない相手にも、相手が受け取れる言葉で説明できるということです。


反対に、理解がまだ表面的な段階では、専門用語や難しい説明に頼ってしまうことがあります。

自分が知っていることを、そのまま伝えようとしてしまうからです。


しかし、本質を理解している人は違います。

何が一番大切なのかを分かっているからこそ、必要な部分だけを取り出し、相手に合わせて伝えることができます。


情報を減らしているのではありません。


本当に必要なものを選んでいるのです。



専門知識は、そのままでは価値にならない


美容師さんが持っている知識や経験は、とても価値のあるものです。


しかし、その価値は、専門家の中だけで完結していては、お客様には届きません。

例えば、


「この薬剤は〇〇成分が配合されていて、毛髪内部へ作用します」

という説明。


もちろん、間違った説明ではありません。

しかし、お客様が本当に知りたいのは、その先かもしれません。


「それによって、自分の髪はどう変わるのか」

「毎朝のお手入れが楽になるのか」

「今より自分らしい髪になれるのか」


そこが分かった時、お客様は初めて、その価値を感じることができます。


大切なのは、その知識を、お客様が受け取れる言葉へ変換することです。



言葉にすることは、相手への思いやりでもあります


言葉にするというと、「上手に話すこと」や「説明力」のように考えるかもしれません。


しかし、本質はそこではありません。

言葉にすることとは、相手の立場に立つことです。


自分は分かっている。

でも、相手はまだ知らない。


では、どう伝えれば、この人は理解できるだろうか。

どうすれば、不安なく受け取ってもらえるだろうか。


そこを考えることが、言葉にするということです。


だから、言葉の力は、単なるコミュニケーション能力ではありません。

相手を理解しようとする力でもあります。



言葉にする力は、才能ではなく習慣です


「自分は話すのが苦手だから」

「文章を書くのは得意ではないから」


そう感じる方もいるかもしれません。

しかし、言葉にする力は、生まれ持った才能だけで決まるものではありません。


日々、自分の考えを整理すること。

なぜそう思ったのかを考えること。

相手にどう伝わるかを想像すること。


その積み重ねによって、少しずつ磨かれていきます。

技術と同じです。


最初から完璧なカットができる人はいません。

練習し、経験し、振り返ることで上達していきます。


言葉にする力も、それと同じです。



言葉にできて、初めて価値になる


サロンには、すでにたくさんの価値があります。


長年磨いてきた技術。

お客様を想う気持ち。

スタッフへの想い。

これまで積み重ねてきた経験。


しかし、それらは、言葉になって初めて誰かに届きます。

第四章では、


お客様の本音を引き出す言葉。

専門知識を価値へ変える言葉。

スタッフの想いをつなぐ言葉。

サロンの魅力を伝える言葉。


様々な場面を通して、「言葉にする力」について一緒に考えていきたいと思います。


あなたの中にある価値を、必要としている誰かへ届けるために。

最新記事

すべて表示
001 Salon Growth Lab(サロン成長研究所)へようこそ

「もっとお客様に喜んでいただきたい。」 「もっとサロンの価値を高めたい。」 「もっと長く愛されるサロンをつくりたい。」 そんなことを考えたことはありませんか。 きっと、このページを開いてくださったあなたは、一度くらい考えたことがあるのではないでしょうか。 美容師という仕事は、不思議な仕事です。 技術職でありながら、接客業でもある。 接客業でありながら、経営でもある。 そして何より、人の人生に少しだ

 
 
 
050 利益を取ることは、恥ずかしいことではない ~成長するサロンが、未来へ価値を届け続けるために必要なもの~

「利益」という言葉を聞いた瞬間、心のシャッターを閉めていませんか サロン経営の話をしていると、必ず出てくる言葉があります。 「利益」 この言葉を聞いた瞬間、 「結局、お金の話なのか」 そう感じることはないでしょうか。 心の中で、 ガラガラガッシャーン。 そんな音が聞こえるように、話を受け入れる準備を閉じてしまう。 そんな経験はないでしょうか。 でも、少し考えてみてください。 利益とは、本当に自分だ

 
 
 
049|閉業は、ある日突然やってこない~サロンを未来へ残すために、経営者が見るべき小さな変化~

サロンオーナーになると、一度は頭をよぎることがあるのではないでしょうか。 「もし、このサロンを続けられなくなったら」 という不安です。 独立を決めた時。 自分のお店を持った時。 そこには、不安よりも大きな希望があったはずです。 自分の理想とするサロンをつくりたい。 目の前のお客様を、もっと大切にしたい。 自分の技術や経験を、誰かの喜びにつなげたい。 そんな想いから、一歩を踏み出したのではないでしょ

 
 
 

コメント


bottom of page