041 一生のお客様、という考え方。
- lonfieekyoto
- 7月20日
- 読了時間: 4分
前回は、離れていくお客様にも理由があり、そのすべてを防ぐことはできないというお話をしました。
どれだけ大切に向き合っていても、人生には変化があります。
引っ越し。
仕事や家庭環境の変化。
時間や価値観の変化。
それによって、今まで続いていた関係が、一度途切れることもあります。
でも、その時間がなくなるわけではありません。
その方と過ごした時間。
交わした会話。
喜んでいただけた瞬間。
その一つひとつは、サロンの中に残り続けます。
第三章の最後に、少し大きな問いを考えてみたいと思います。
「一生のお客様」とは、どのような関係なのでしょうか。
一生のお客様とは、長く通い続けてくださる方だけではありません
「一生のお客様」と聞くと、何十年も変わらず通い続けてくださる方を想像するかもしれません。
もちろん、そのような関係は、とても素晴らしいものです。
しかし、本当の意味での「一生」とは、単純に年数だけで測れるものではないのだと思います。
なぜなら、人の人生には、必ず変化があるからです。
学生だった方が社会人になる。
仕事中心だった方が家庭を持つ。
忙しい毎日の中で、自分の時間を大切にするようになる。
その変化の中で、お客様が求めるものも少しずつ変わっていきます。
だからこそ、サロンに求められる役割も、一つではありません。
その時、その方に必要な価値を届け続けること。
それが、長く続く関係の土台になるのだと思います。
一生のお客様とは、自分もそのお客様の人生の一部になること
美容室という仕事には、他の仕事とは少し違う時間の積み重ねがあります。
髪を整えるという行為は、ただ見た目を変えるだけではありません。
その人の人生の節目に寄り添うことがあります。
成人式の前。
大切な人との出会いの前。
結婚式を迎える前。
新しい仕事を始める時。
人生の環境が大きく変わった時。
そんな大切な瞬間に、「いつもの場所」として思い出していただける存在になる。
それは、単に技術を提供しているということ以上の価値なのかもしれません。
「あの時、このサロンで髪を整えてもらった」
そんな記憶の中に、自分たちの存在が残っている。
その時、サロンはお客様の人生の一部になります。
そして同時に、お客様との時間もまた、サロンの人生の一部になっていきます。
お客様との時間が、サロンの歴史になる
長くサロンを続けていると、たくさんの思い出が積み重なっていきます。
初めて来店された時は学生だったお客様。
いつの間にか仕事の話をするようになったお客様。
結婚や出産など、人生の変化を報告してくださるお客様。
お子様と一緒に来店してくださるようになったお客様。
一人ひとりとの時間が、そのままサロンの歴史になります。
売上や来店人数だけでは測れないもの。
それが、長く続くサロンが持っている、本当の財産なのだと思います。
そして、もう一つ大切なことがあります。
長く続くお客様との関係は、担当者一人の力だけで作られるものではありません。
受付で迎えるスタッフの笑顔。
シャンプー中の何気ない会話。
店内で感じる安心感。
そうした一つひとつの体験が積み重なって、「またここに来たい」という気持ちにつながります。
第一章でお話しした、人を育てること。
第二章でお話しした、変わり続けること。
第三章でお話しした、お客様との関係。
すべては、長い時間をかけて価値を育てていくことにつながっています。
出会いから始まった物語は、これからも続いていく
第三章では、初めての出会いから始まり、2回目の来店、信頼、価格、そして別れについて考えてきました。
最初の記事のタイトルでもある、
「出会いは、まだ何も始まっていない」 という言葉。
これは、初回来店だけの話ではありません。
今日出会うお客様との関係も。
今、長く通ってくださっているお客様との関係も。
まだ育っていく途中です。
10年後も、心に残るサロンへ
10年後も選ばれるサロンとは、すべてのお客様を離さないサロンではありません。
お客様の人生の変化に寄り添い、その時々で必要とされる価値を届け続けるサロンです。
そして、お客様にとっても。
サロンにとっても。
「あの時間があったから、今がある」 そう思える関係を積み重ねていくこと。
それが、「一生のお客様」という考え方なのだと思います。
出会った一人ひとりとの時間が、未来のサロンをつくっていく。
その積み重ねこそが、10年後も、20年後も続いていくサロンの力になるのだと思います。
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