top of page

038 常連になるとは、信頼を預けてくださること。

前回は、2回目の来店で試されているのは、サロンではなく「あなた自身」だというお話をしました。


前回の続きから会話ができる。覚えていてもらえている。そうした小さな積み重ねが、少しずつ安心感に変わっていきます。


では、その安心感が積み重なった先、「常連」と呼べる関係には、何が起きているのでしょうか。



常連とは、来店回数の話ではありません


「常連のお客様」と聞くと、多くの人は、来店回数や年数を思い浮かべるかもしれません。


月に一度、必ず来てくださる方。

何年も通ってくださっている方。


もちろん、それも大切な目安です。


しかし、本当の意味での常連とは、単純な回数だけでは測れないものだと思います。


常連とは、お客様が、あなたに「選ぶ負担」を預けてくださっている状態です。



お客様は、毎回「選び直している」わけではなくなる


初めての来店、2回目の来店では、お客様の中に、まだ小さな迷いがあります。


「本当にここでいいのか」

「自分に合っているのか」


他のサロンと比べたり、口コミを確認したり、自分に合う場所を探したりします。


しかし、信頼できる関係になると、その迷いが少しずつ減っていきます。


「次も、ここにお願いしよう」


そう自然に思えるようになる。


メニューを選ぶ時も、髪の悩みを相談する時も、


「この人なら分かってくれる」


という前提があるからこそ、安心して任せることができます。


これは、お客様がサロンに無関心になったわけではありません。

むしろ逆です。


「ここなら大丈夫」と思えるほど、大切な場所になっているということです。



信頼とは、毎回確認しなくても安心できる状態です


初対面の相手には、私たちは自然と確認をします。


この人は約束を守ってくれるだろうか。

自分のことを理解してくれるだろうか。


しかし、深く信頼している相手には、毎回確認する必要がありません。


「きっと大丈夫」 そう思えるからです。


サロンとお客様の関係も同じです。


「今回も安心して任せられる」

「もし悩みが出ても相談できる」


そう思っていただけている状態が、信頼なのだと思います。

そして、その信頼は、特別な一回の感動で生まれるものではありません。


毎回の施術。

毎回の会話。

小さな約束を守ること。


そうした積み重ねによって生まれる、「安心の総量」です。



信頼してくださっているお客様ほど、言葉にされないことがあります


ここで、一つ気をつけたいことがあります。


信頼してくださっているお客様ほど、不満や違和感を口にされないことがあります。


「いつも良くしてもらっているから言いにくい」

「これくらいなら我慢できる」


そう思われることがあるからです。

だからこそ、長く通ってくださっているお客様ほど、こちらから耳を傾ける姿勢が大切になります。


「最近、髪の調子はいかがですか」

「以前と比べて、何か気になることはありませんか」


そんな一言が、言葉になっていなかった小さな変化を拾うきっかけになります。



信頼は、預けていただくものであり、当然のものではありません


常連のお客様との関係は、とても心地よいものです。


しかし、その心地よさに甘えてしまうと、少しずつ距離が変わってしまうことがあります。


信頼とは、一度得たら永遠に続くものではありません。

今日も、明日も、少しずつ預け続けていただいているものです。


だからこそ、長く通ってくださるお客様に対してこそ、初めて出会った時と同じような気持ちで向き合うことが大切なのだと思います。



長く続く関係は、小さな信頼の積み重ねから生まれる


1回目は出会い。

2回目は関係の始まり。


そして、何度も足を運んでくださる中で、その関係は少しずつ信頼へ変わっていきます。

お客様が預けてくださったものは、髪だけではありません。


「自分のことを分かってほしい」

「安心できる場所で過ごしたい」


そんな想いも、一緒に預けてくださっているのだと思います。


次回は、その信頼と深く関わる「価格」というテーマについて。

「値上げは、裏切りではありません」という視点から、お客様との関係を考えていきます。

最新記事

すべて表示
001 Salon Growth Lab(サロン成長研究所)へようこそ

「もっとお客様に喜んでいただきたい。」 「もっとサロンの価値を高めたい。」 「もっと長く愛されるサロンをつくりたい。」 そんなことを考えたことはありませんか。 きっと、このページを開いてくださったあなたは、一度くらい考えたことがあるのではないでしょうか。 美容師という仕事は、不思議な仕事です。 技術職でありながら、接客業でもある。 接客業でありながら、経営でもある。 そして何より、人の人生に少しだ

 
 
 
050 利益を取ることは、恥ずかしいことではない ~成長するサロンが、未来へ価値を届け続けるために必要なもの~

「利益」という言葉を聞いた瞬間、心のシャッターを閉めていませんか サロン経営の話をしていると、必ず出てくる言葉があります。 「利益」 この言葉を聞いた瞬間、 「結局、お金の話なのか」 そう感じることはないでしょうか。 心の中で、 ガラガラガッシャーン。 そんな音が聞こえるように、話を受け入れる準備を閉じてしまう。 そんな経験はないでしょうか。 でも、少し考えてみてください。 利益とは、本当に自分だ

 
 
 
049|閉業は、ある日突然やってこない~サロンを未来へ残すために、経営者が見るべき小さな変化~

サロンオーナーになると、一度は頭をよぎることがあるのではないでしょうか。 「もし、このサロンを続けられなくなったら」 という不安です。 独立を決めた時。 自分のお店を持った時。 そこには、不安よりも大きな希望があったはずです。 自分の理想とするサロンをつくりたい。 目の前のお客様を、もっと大切にしたい。 自分の技術や経験を、誰かの喜びにつなげたい。 そんな想いから、一歩を踏み出したのではないでしょ

 
 
 

コメント


bottom of page