top of page

037 2回目に来てくださる理由は、1回目とは違う。

前回は、初めてのご来店は、まだ「お試し」の段階にあるというお話をしました。


技術も接客も満足していただけたとしても、それだけでは、まだ「選ばれ続ける関係」は始まっていません。


では、2回目の来店には、どんな意味があるのでしょうか。



1回目は相性を確かめる時間。2回目は信頼できる人かを確かめる時間


初めての来店で、お客様が確かめていることはたくさんあります。


技術は自分に合っているか。

店内の雰囲気は心地よいか。

価格は納得できるか。

スタッフとの距離感はどうか。


つまり、「このサロンは、自分に合う場所なのか」を見ています。

しかし、2回目の来店では、少し見るところが変わります。


「前回担当してくれた人は、自分のことを覚えていてくれるだろうか」

「今回も安心して任せられるだろうか」


そんな、人と人との関係性を確かめる時間になります。


1回目は、サロンとの相性を確かめる時間。

2回目は、そのサロン、そして担当者を信頼できるかを確かめる時間。


そう考えると、2回目の接客の意味が少し変わってきます。



「前回の続き」から会話を始められるか


2回目に来店されたお客様へ、こんな言葉をかけたことはありますか。


「前回、少し髪の広がりが気になるとおっしゃっていましたが、その後いかがでしたか」

「前回おすすめしたケア方法、その後試してみましたか」


こうした一言は、単なる会話ではありません。


「あなたのことを覚えています」


という、何よりのメッセージになります。

お客様にとって嬉しいのは、ただ施術が上手なことだけではありません。


自分のことを理解しようとしてくれている。

前回話したことを大切に扱ってくれている。


そう感じた瞬間に、少しずつ安心感が生まれます。

反対に、初回とまったく同じカウンセリングを一から繰り返してしまうと、


「前にも話したことなのにな」


と、少し寂しい気持ちにさせてしまうことがあります。



覚えているつもりでも、記憶は意外と曖昧です


「そんなことは当然覚えている」


そう思う方もいるかもしれません。

しかし、毎日たくさんのお客様と向き合っている中で、一人ひとりの会話をすべて正確に覚えておくことは簡単ではありません。


だからこそ、カルテやメモがあります。

髪質や施術履歴だけではありません。


「お子さんが受験を控えている」

「来月旅行に行く予定がある」

「最近、仕事が忙しいと言っていた」


そんな小さな一言を書き残しておく。


それは単なる管理ではなく、お客様との会話の続きを大切にするための準備です。

次回来店された時、


「その後どうでしたか?」 と言えること。


それだけで、お客様は「ちゃんと覚えてくれていた」と感じます。



2回目の来店は、心理的なハードルが一番高いのかもしれません


新規のお客様を増やすことに、多くのサロンは力を注ぎます。

もちろん、新しい出会いを作ることは大切です。


しかし、実は初回から2回目につながるところにも、大きな分かれ道があります。

一度来店してくださったお客様が、再び足を運んでくださるかどうか。


そこには、劇的な失敗よりも、小さな印象の積み重ねが影響しています。


「悪くなかった」

でも、

「もう一度行く理由が、まだ見つからない」


そんな状態です。


だからこそ、2回目の来店は、決して当たり前ではありません。



2回目の来店は、1回目の中で準備されている


1回満足していただければ、自然にまた来てくださる。

そう思ってしまうことがあります。


しかし、本当の意味で次につながる関係は、初回の施術が終わった後ではなく、初回の時間の中ですでに作られています。


次回につながる提案。

覚えていてほしい情報。

そのお客様だけに向けた一言。


小さな積み重ねが、


「また、この人にお願いしたい」


という気持ちにつながります。



関係は、2回目から静かに育ち始める


1回目は出会い。


2回目は、その出会いが「関係」に変わるかどうかの分かれ道です。


前回の続きを話せる。

自分のことを覚えていてもらえる。


少しずつ、自分専用の場所になっていく。


その積み重ねが、


「このサロンなら安心して任せられる」


という信頼へつながっていきます。


次回は、その安心感がどのように「信頼」へ育ち、やがて「この人に任せたい」という関係になるのか。


「常連になるとは、信頼を預けてくださること」というテーマでお話しします。

最新記事

すべて表示
001 Salon Growth Lab(サロン成長研究所)へようこそ

「もっとお客様に喜んでいただきたい。」 「もっとサロンの価値を高めたい。」 「もっと長く愛されるサロンをつくりたい。」 そんなことを考えたことはありませんか。 きっと、このページを開いてくださったあなたは、一度くらい考えたことがあるのではないでしょうか。 美容師という仕事は、不思議な仕事です。 技術職でありながら、接客業でもある。 接客業でありながら、経営でもある。 そして何より、人の人生に少しだ

 
 
 
050 利益を取ることは、恥ずかしいことではない ~成長するサロンが、未来へ価値を届け続けるために必要なもの~

「利益」という言葉を聞いた瞬間、心のシャッターを閉めていませんか サロン経営の話をしていると、必ず出てくる言葉があります。 「利益」 この言葉を聞いた瞬間、 「結局、お金の話なのか」 そう感じることはないでしょうか。 心の中で、 ガラガラガッシャーン。 そんな音が聞こえるように、話を受け入れる準備を閉じてしまう。 そんな経験はないでしょうか。 でも、少し考えてみてください。 利益とは、本当に自分だ

 
 
 
049|閉業は、ある日突然やってこない~サロンを未来へ残すために、経営者が見るべき小さな変化~

サロンオーナーになると、一度は頭をよぎることがあるのではないでしょうか。 「もし、このサロンを続けられなくなったら」 という不安です。 独立を決めた時。 自分のお店を持った時。 そこには、不安よりも大きな希望があったはずです。 自分の理想とするサロンをつくりたい。 目の前のお客様を、もっと大切にしたい。 自分の技術や経験を、誰かの喜びにつなげたい。 そんな想いから、一歩を踏み出したのではないでしょ

 
 
 

コメント


bottom of page